妹「ダンゴムシは虫じゃない」姉「は?」
話題のまう山先生のツイートを見かけたので。
幼い頃の私は、自分で言うのも何ですが、幼稚園で一番の昆虫博士でした。今でこそセミの裏側を見るとイィーッとなってしまうくらい昆虫が苦手になってしまいましたが、小学館の分厚い図鑑を毎日ひらいてニコニコしている変な娘だったと記憶しています。
大人になった今、つい最近の話ですが、姉とこんな話をしました。
「ダンゴムシって虫なの?」
姉のふとした一言に、私はドヤッと答えました。
「ダンゴムシは虫じゃないよ」
「でもムシって名前ついてるじゃん」
やれやれ。お前もそのパターンか。私は(生物学の世界では常識どころの話ではないのですが)ちょっと偉そうに解説しました。
エビやカニの親戚のようなものなんです。
加えて脚の数など、身体のつくりの特徴からも昆虫の定義には当てはまらないという説明をして、だからダンゴムシは虫じゃないわけよ、と。
姉はまた首をひねりました。
「昆虫と虫って違うの?」
私は固まってしまいました。
確かに。
やべえと思ったこんなときこそグーグル先生です。私はこんな解説記事にたどり着きました。
『「虫」は生物学で定義されているものではありません。ただ、まだ学問が普及していなかった明治時代よりも前からある言葉です。当時の人は哺乳類、鳥類、魚類以外、要するに毛の生えていない陸上動物をひとまとめに「虫」と呼んでいたのです』(自分なりの要約なので違っていたらごめんなさい)
久しぶりに脳みそがガーッとかき混ぜられました。
だったらトカゲやヘビみたいな爬虫類も虫ってこと?
ああ〜そういえば爬「虫」類って……
蜥蜴(とかげ)にも蛇(へび)にも虫がいるんだな、同じように地上で生きてる蝸牛(かたつむり)にも虫がついてるんだな……
ってことはダンゴムシなんか名前にムシってついてんだから間違いなく「虫」じゃん!
アリさんハチさんみたいな昆虫だって「虫」じゃないかー!
昆虫と虫ってそういうことかー!
むかしのひとって スゲー!
私はそこでようやく自分の勘違いに気付きました。
「虫」という大きなカテゴリの中に「昆虫」がいるわけですね。
そして「虫」の中には、地上に暮らす毛のない動物、つまりダンゴムシやムカデ、ヘビみたいな爬虫類なんかも含まれるのですね。
ダンゴムシは確かに「昆虫」の定義には当てはまりません。しかし「虫」の仲間かと言われれば、それはイエスということになります。
「昆虫と虫って違うの?」
姉の疑問はこれにて解決です。
「昆虫」はその身体が頭・胸・腹の三部がはっきり分かれていて、胸に三対の脚がついている特定の生き物を指す生物学上の言葉。
「虫」は前述の「昆虫」を含め、哺乳類、鳥類、魚類以外の陸上動物を指す、もっと広い意味の言葉。
ふんふん。つまり私は長年にわたり、「虫」と「昆虫」が同じ「昆虫」の定義のもとにあるものと勘違いをしていたと。
20年の時を経てしまいましたが、昆虫博士、一生の不覚だと思いました。
この世に生まれて二十年と少し、まだまだ勉強しないと、ちゃんと大人になれませんねぇ。
反省しました。